2012年8月24日金曜日

私的休暇論

(4−5日前)
Long Vacationが終わった。明日から仕事に復帰。
楽しかった。良い休暇だった。でも、結局すごく一生懸命休暇を過ごしてしまうんだよな。もっとのんびりしたい。何もせず、何も考えず、身体と心を休めたい。
だけどそれができないんだ。楽しいことを必死に行動して、いろんなことを考えて、精一杯「休暇」してします。
ふだん、イソイソと仕事をしているのと基本的には変わらないじゃないか。
その対象が仕事か遊びか、その違いだけ。まあそれは大きいのだけど。
リラックスできる場所を確保したら、何もせず、のんびりポカンとしたい。どこかのリゾートに着いたら何もしないでいたい。でも実際は原稿を書き始めるか、本を読むか、うろちょろ出歩くとか、なにかをしないといられない。まあそれでも良いのでしょうかね。

(今)
韓国ソウルに来ています。
仕事は明日一日だけなんだけど、昨日から入り、今日は体調の調整。と言っても日本と時差はないし、沖縄より近いくらいの距離ですけど。
半分仕事で、半分休暇。研究者・大学の先生の学会出張って、仕事という名目の気晴らしみたいなところもありますからね。

休暇って何?
その目的は何?

★リフレッシュ=普段の疲れを取る。
普段の疲れがたまってくるとさんざん使い込んで汚れた下着、水分が抜けてしぼんだ果物のようにヨレヨレになっちゃう。それを洗濯して汚れを取って、再び新鮮な状態によみがえらせる(re-fresh)わけ?
ヨレヨレになるのは身体?、それとも心?
➡大学教師時代には教育と研究と雑用と大学以外の仕事と、、、繁忙で目が回って、睡眠不足で、必死だけど何がなんだか分からなくなって、仕事の質が下がって、自己嫌悪に陥って、、、という悪循環にはまることが多々あった。開業してからは仕事を選べるのでそういうことはあまりない。ホワイトカラーは身体よりも心をリフレッシュさせることが大切で、運動不足の身体は逆に少し活性化してという具合でしょうか。
いずれにせよ、最近ヨレヨレ感はもうない。休暇とらなくてもやっていけるの?

レジャー=好きなことを楽しむ。
普段できないことをする。
何が好きかによりますね。
➡スキー、テニス、リゾートビーチでダイビング。運動系は大好きですね。しまなみ海道サイクリングは最高でしたよ!
旅行して物見遊山、きれいな自然とか美術館とか世界遺産とか観光するのも楽しいんですけど、ただ訪ねるだけ、観るだけってあまり好きじゃない。それよりは人との出会い、例えば学会で新しい人と出会い意見交換して懇親してみたいな方が楽しいかな。

★暇つぶし=することないから何かする
パチンコみたいな?
タクシーの運ちゃん「お客さん、これから休暇ですか?良いですねえ。私は休暇は1日だけですよ。でも休暇もらっても一日することないですからね。仕事してた方が楽ですよ。」
羅臼の漁師さんは3ヶ月の鮭マス漁で一年分を十分に稼ぎ、冬場は出稼ぎする必要もなくパチンコしてるんだって。
子どもたちも休みに入ると「ヒマだ〜!」と叫んでいる。
➡私の場合、ヒマということはありえないですねえ。やるべきこと・やりたいことが山積みだし、休暇に入ってもヒマ状態にもっていくことは不可能。何かを必死にやってしまう。
やる気がなくなっちゃう(うつ状態)ことも想像できない。

大切な人と一緒に過ごす時間
親密な時間。
新婚旅行って何かとってつけたようで緊張しますよね。 
普段一緒にいてもすれ違いの毎日。他の用事を切り捨てて、一緒の時間を持つことが出来れば、大切な人のホントの大切さを確認できる。でも、向き合ったらケンカが始まるリスクも覚悟しなければなりませんが。
➡確かにガチンコ勝負だと疲れますね。観光とかグルメとか、相手との間に共通に楽しめることを挟めば、大切さを呼び戻しリニューアルしてくれる最高の時間です。

家族旅行 
家族も大切な人たちですから。日常ではそれぞれの役割・仕事に関わりすれ違いの毎日。そういう役割・仕事を切り離して家族の時間を持つのは楽しいですね。
子どもたちは「遊ぶ」ことが仕事。遊園地とか海水浴とかとにかく行動する。ゆっくりなんかしたくない。大人は逆に休みたい、ゆっくりしたい。あるいは、それぞれに特化した趣味・楽しみたいことがある。男性・女性、ジェンダーでその好みはたいてい違いますからね。男性が女性の買い物に付き合わされるのは試練だったりして(笑)。サイクリングにもなかなか付き合ってくれない。
家族で休暇を取りましょうといったって、夫や子どもに振り回されている女性は休めない。
お正月やお盆休みで親戚が大挙してやってくる実家のお嫁さんにしてみれば、家族という組織に振り回される「仕事」状態であり、家族旅行でゆっくり休めるのは夫と子どもだけ、自分は家族という仕事をしにいくわけであり、家族旅行から帰って来てホッとひとり自分のやりたいことができる日常の方がよっぽど「休暇」なのではないでしょうか。
➡今、娘と来ています。ティーンエイジャーの女の子の買い物に付き合わされました。息子たちも旅行に誘ったんだけど興味ないって振られました。
マイタイム=誰にも邪魔されない自分の時間他者に従属するのではなく、自分が本来の姿で居られる状態。➡会社とか家族という組織に縛られている人は「自分の時間」感覚を取り戻すことが大切なのかもしれません。自営業の私は仕事自体が自分の責任、自分の時間。別に休暇をとらなくたって自分の時間は良い意味・悪い意味両面で十分にキープしている。

のんびりする=自分に合ったペースで、やりたいことをする。
他者(組織)のペースに自分を合わせている人にとっては、自分のペースに戻ることが大きな意味を持つのでしょう。
➡大学や病院に勤務していたとき、一応組織のペースはあったけど、教授として医師として裁量をかなり任されていたのである程度自分のペースを保つことは出来ていた。私自身のペースはDog Year的に結構早いので、ペースをスローダウンしたいと思うことはあまりない。というかスローダウンすること自体がストレスになります。

現実逃避=日常から切り離された世界
旅行して場所を変えると日常性がなくなっちゃうから、仕事とか家事とかルーチンのストレスから解放されます。
でも、子どもと一緒の家族旅行は子育てというルーチンもくっついて来ます。夫のお世話がルーチンな奥様は、夫婦で旅行したって休まらない、それとも場所が変われば関係性も多少は変わる?
私が勤めていた私立病院の院長は職住近接。お正月やお盆休みは都内のホテルに滞在(逃避)してました。家にいたら休まらないって。
➡フーテンの寅さんのごとく、現実から逃げたい。しばらく逃げていたらまた戻りたいという願望はあると思います。「あなたはフラフラしすぎぎ!」とよく言われます。
海外も旅行なら逃避先だけど、住んでしまうと現実になります。ロンドンに滞在していた頃、週末はよくパリに逃げていました。


贅沢=一点豪華主義
普段は慎ましく生活して、たまには自分にご褒美をあげよう!
勤勉で、たまにしか休暇をとらない人なら成り立つんですけど、贅沢が日常になってしまうと贅沢の意味を成さなくなる。
和風旅館の豪華メシも、ホテルのバイキングも二日続けるとちょっと身体にきついかも。後で体重を戻すのに苦労します。

まとめ➡結局、何を言いたいの?
「あなたは、いつも休暇モードじゃないの!!」
と言われます。


いつも心と身体がリフレッシュされ、
仕事や日常の生活を楽しんでいる。
家族や愛する人との時間を大切にして、
自分の時間も大切にする。
日常に飽きることなく新鮮な気持ちで毎日を過ごし、
贅沢をしなくても毎日が充実している。
サウイフモノニ
ワタシハナリタイ。

2012年8月9日木曜日

Long Vacation

 Longと言ったって12日間。私の中では一番長いかもしれない。フランス人のヴァカンスほどじゃないけど、日本人としてはがんばった方だ。今は開業1年目、まだそれほど忙しくはないからこれほど取れるわけであって、今後だんだん忙しくなってきたらとれなくなるよ、、、
 普通そう考えるけど、そうは考えたくない。「忙しく仕事に没頭するほど美徳」という高度経済成長的価値観から脱皮したいと思っています。

 休暇にはいつも仕事(=書きかけの原稿と読みたい本)を山のように持っていく。これは私だけではなく、ダンナが大学の先生をやっている友人も言っていた。でも、持っていくだけで結局はほとんど手につかずにそのまま持って帰る。そうなることはわかっていながら、どうしても持っていかざるを得ない。という研究者(あるいは仕事中毒者)の可哀想な習性なのだ。

 これは、仕事モードと休暇モードをうまく切り替えることができないために起きる現象です。休暇に入る段階ではアタマがまだ仕事モードのために、休暇=時間がある=溜まっている仕事ができる、、、という発想になる。実際には休暇に入りのんびりモードに切り替わるので、結果的には仕事はできない。まあそれで良いわけで、休暇中も仕事モードだったら可愛そうですからね。
 と言いつつ、必ずノートPCとネット環境は持参して、時間の隙間にこうやってブログ原稿を書いたりしています。

2012年8月4日土曜日

想定外の人生:パニックとその立て直し

土曜日の仕事を終え、週末は草津の家へ向かった。あと30分で着くころに、家のカギを忘れたことにハタと気づいた。さあ、困った。どうしよう??
軽いパニック状態。運転しながら選択肢を必死に考える。
・東京に引き返したらせっかくの週末が台無しになる。
・ベランダからカギのかかりが甘い雨戸はなかったかな。思い返しても、サッシのガラスを割らないかぎり無理だろう。
・明日の朝には管理人さんが来るから、それまで車内で夜を過ごす。私ひとりならそれでも良いけど、子どもたちもいるし、、、
・草津の旅館に泊まるしかないか。定宿に電話しても出ない。夜9時過ぎだもんな。温泉街入り口の旅館案内所も閉まっている。湯畑の駐車場のおじさんに尋ねても、「この時間じゃあ無理でしょう。」あとは直接旅館に交渉するしかないか。小さなところは無理だろうから、湯畑の前の大きなホテルに直接乗り付けた。「1泊朝食付きで◯◯円です。」値段を交渉する余地はない。思わぬ出費、カギを忘れただけのための無駄遣いだ。
仕方がない、ここに投宿することにした。

道中、カーラジオでオリンピック男子サッカーの準々決勝を聴いていた。エジプトの選手がレッドカードをくらい退場。11人から10人に減りフォーメーションが崩れ、想定外の事態に選手たちは動揺する。監督の支援で、しばらくしたら立て直した。結局は3-0で日本が勝たせてもらったが。

誰しも、想定外の人生を経験する。誰が経験するかも想定外。こうなるはずではなかったという人生はたくさんある。
・妻を突然病気で亡くした男性。
・十代の生命力に満ちているはずの子どもを突然、病気で亡くした父親。
・結婚は失敗だった、子どもを産んだのは失敗だったと振り返る女性。
・非精神病性の「ひきこもり」と思っていたら、どうも統合失調症のようだ。私は思春期に医学モデルはあまり使わないが、使わざるを得ない場合もある。子どもの障害受容は親にとってとても重たい。母親ひとりでは辛すぎる。ご両親に来てもらい、丁寧に、でも率直に今後の見通しをお伝えする。

案内された部屋は建て増しを重ねた大型旅館の一番奥の部屋。この値段でこの部屋?こんなはずではなかった。
、、、仕方がない、気を取り直して手ぬぐいをぶら下げて大浴場へ行く。もともと家に着いた後、湯畑の白旗の湯には来るつもりだったけどね。立派な温泉に入れるし、明日のブッフェ朝食も美味しく食えるかな。週末の過ごし方を立て直さないと。なんとか楽しむ方策を見出すしかない。

人生のパニックは、立て直せるものなの?
・家族を突然失った男性たちは、涙をたくさん流した。
・失敗したはずの結婚相手も妻の求めに応じてなぜか毎回カウンセリングにやってくる。「いや、私はダメですから。弱いですから。」ホントにそう思ってるの?いや、確かに過去はかなりダメでしたね。でも今は?なぜカウンセリングに来るの?素晴らしいじゃない!!
・子どもの障害をどう受け入れ、どう向き合うのかご夫婦と話し合う。なぜか父親はoptimisticで母親はpessimisticだ。夫婦間で、ひとつの現実に対してずいぶんと見方がが違うのね。でも、それで良いですよね。人生、そう楽天的ばかりにも、悲観的ばかりにもならなくてもよい。両者が適度にミックスするのが一番良いですね。

、、、とこうやってブログ記事を書けたから、まあ想定外の今宵も無駄ではなかったよね。こじつけるしかない。

2012年8月1日水曜日

しまなみ海道サイクリング

0) 尾道~向島
新幹線⇒福山乗換⇒在来線で尾道まで輪行。
往復割引が効く距離
尾道駅構内の観光案内所でクーポン券を250円で購入する。各橋ではこの回数券をちぎって通行料を払う仕組み。












尾道・向島間の渡船

青いサイドライン
因島大橋(向島-因島)





尾道大橋は自転車道がなく、尾道駅前の渡船で向島へ渡る。3つの船会社が運航するが、どれも110円で似たようなもの。













各島の中は自動車道(しまなみ海道)を離れて一般道を行く。指定された自転車道には青のサイドラインが引かれ、迷うことない。



1)因島大橋
この橋だけが自動車道と二段式になっており、金網で保護された自転車・歩行者道を行く。鳥かごの気分で眺めはあまり良くない。


1-2)因島
因島大橋のたもとにある「はっさく屋」の大福を楽しみにしていたのだが、あいにく夏休み中。
ブルーラインと標識は内陸のフラワーセンター経由になっているが意味ない。落ちぶれた植物園か30mのヒルクライムを追加したい人以外は海沿いの道を行くべし。

2)生口橋
しまなみ海道の6つの橋の両側には自転車専用のアプローチ道が整備されている。50m前後登ので全体を走破すると50×6=300mほどのヒルクライムになる。自転車のことをよく考えらえていて、斜度がきつくなると勾配の異なる「自転車・歩行者道」と「原付バイク道」が分かれる。登り道もなかなか快適だった。

2-3)生口島
北側の海岸沿いを走る。南側はけっこうきついらしい。ずっと海沿いなので気持ちが良い。
瀬戸田町にある平山郁夫美術館は興味がないのでパスしたけどずいぶん立派だ。画伯はここに生まれたのね。

3)多々羅橋
ここから愛媛県に入る。

3-4)大三島
大三島と伯方島内の道は短いが、このあたり対岸の島々が間近に迫り素朴な風景が美しい。

4)大三島橋
一番初めに出来た一番短い橋。港から登っていく大三島側の自転車道アプローチが何となく好きだ。

4-5)伯方島
道の駅では「塩ソフト」が美味しい。自転車クーポンで250円が200円になる。

5)伯方・大島大橋
大島側のアプローチ付近から眺める対岸の伯方島、能島の景色が美しかった。

5-6)大島
生口橋
この島だけサイクリング道が島の真ん中を突っ切っている。60mのヒルクライムもあり、一番の難所か。この坂と比べると各橋のアプローチは自転車が登りやすい斜度に計算されていることがわかる。それでも上りでは降りて押している人もいたが。
大島側の道の駅から眺める来島海峡大橋は圧巻。ここではミカンのソフトが200円。そうとう暑いから糖分を遠慮なく補給する。

6)来島海峡大橋1・2・3
3連吊り橋はしまなみ海道中一番長く、一番高くそびえている(標高80mほど)。橋の袂から見下ろす海峡の渦潮と行き交う船、それに遠景の島々はホント美しい。車で通りすぎたら味わえない自転車だからこそ得られる絶景だ。歩行者も同様だが、この猛暑の中歩いているほどはごくわずかだった。
大三島橋
ここだけ通行料を払うゲートに人がいた(週末のみ)。他のゲートはみな無人。

6-)今治
波止浜港の造船所群が見えてしまなみ海道もおしまい。と思いきや、今治駅までが結構の距離がある。今まで橋とのどかな島々の空いた道を走っていたので、交通量の多い市内の道は浮世から現実に戻って来たような印象だ。予讃線沿いにJRの駅へ。駅前にはGiantのフラッグショップができたらしいが行かなかった。80kmの道を6時間で走破した充実感。
ここからJRで松山まで輪行。さすがに足の筋肉は負担だったようで、車内で右足全体が痙攣を起こしものすごく痛かった。松山では温泉に浸かった後、念入りにマッサージをしてもらい快眠。
道の駅伯方S・C



伯方・大島大橋

来島海峡大橋from道の駅よしうみ

来島海峡大橋

来島海峡

道後温泉@松山