カウンセリング業界は女性優位だ。カウンセラーもクライエントも女性が多く、男性はあまり来たがらない。男は論理や具体性を好み、漠然とした感情や言葉による癒しを好まない。
それに、男は鎧を着て生きていかねばならない。
30代後半から40代前半くらいまでは若さの延長で問題を感じずにやってこれる。
しかし、その年代以降にいろいろな困難がやってくる。
職場、人間関係、女性関係、セクシュアリティ、家族、夫婦、自分の身体、、、、
それらがうまくいかなくても鎧を脱ぐわけにはいかない。
鎧で覆った生身にうまくいかない部分が出てきても、蓋をして問題はないかのように社会の中で生きていく。
男の生きがいは、何かを達成するやりがい。リーダーシップを求められる。能力、有能さ、まわりから慕われ、経済力を確保し、家族を養っていかねばならない。
それが男性に求められた役割だ。
問題を抱えながらも突き進んでいくと、いつか破たんする。
うつ病、自殺、セクハラ、事故、犯罪、アル中、薬物、ギャンブル、、、、
男のアイデンティティは力。コントロール不能となった力がまわりの人々に迷惑をかける。
パートナーが、女性が、家族が、社会が、、、。
そういう男性たちのメンタルのパワーアップが必要だ。
腐った中味を隠したまま鎧だけをパワーアップしてもだめ。かえって加害性を強くしてしまう。
その中身を点検しなくてはならない。
安全な場所で、守られて、よろいを脱いでみる。
強がらなくても良い、弱さをさらけ出しても良い。恥ずかしくはない。まわりから責められることもない、評判が落ちることもない。完全にプライバシーが守られた安全な場所。
安全とはふたつの要素がある。
秘密が守られること。語られた情報は一切外に持ち出さない。
もうひとつは、批判されないこと。どんなことを言っても、グループによって受け入れられる体験が必要だ。
その場をかりて腐った部分を表出し、点検していく。そうすればそこの部分がうまくいって、本当の意味で、正直な自分に向き合うことができる。それはとても怖い。でもそれを乗り越えることができる。それが、鎧による鉄の強さではなく、真の内面から醸し出された男の強さ。
怖がる必要はない。それを提供する場が必要なだけである。
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