不登校・ひきこもりとは?
人との関わりに自信を失い、家族以外の人と関わることを避けるために学校や会社などの社会生活から撤退することです。
l 不登校は、学校に行かないこと。
l ひきこもりは、外部の人との接触を断つこと。
言葉は異なりますが、その心理的メカニズムは類似しています。
ひきこもりのメカニズム
ひきこもりは子どもの関係性から大人の関係性へスムーズに切り替われない状態です。
自立する準備ができていないうちにソトの世界に飛び出すと、傷つきを繰り返し、自信を失い、人との関わりから全面撤退し、傷つきを避けるためにひきこもります。
短期間ひきこもることは心の成長に必要です
傷ついたら休むことが大切です。1−2週間程度ひきこもり、元気を回復して再び飛び出します。
ひきこもりが長期化すると、大きなストレスになります。
ひきこもる期間が長引いても、回復するチャンスはたくさんあります。
しかし、ひきこもる期間が2週間以上続くと、戻りにくくなるのではないか、このまま長い間引きこもってしまうのではないかという不安を本人も家族も抱きます。そのことが自信をますます失わせて、前に向かうことを諦めてしまいます。
こうなると、いくら時間を経てもひきこもりは解決しません。本人と家族が孤立してしまいます。まわりからの支援が必要になります。
対人関係の発達とひきこもり
思春期は大切な人との関係性が大きく切り替わる時期です。10〜12歳くらいから思春期が始まり、10年ほどかけて大人の関係性に変化していきます。
子どもの関係性
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大人の関係性
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近しい関係(家族)
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遠い関係(学校・職場・世間)
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守られたウチの世界(同質性、閉鎖系)
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傷つくソトの世界(異質性、開放系)
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自分中心の世界(万能的自我)
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他者と折合う世界(社会的自我)
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依存(対象との一体感)
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自立(対象からの分離)
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他者(保護者)の責任
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自己責任
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子どもの関係性
子どもは自分の身を守る力を持っていません。親など近くにいて保護してくれる人との依存関係の中に生きています。保護者から無条件の愛情を受け、安全なウチの世界で安心して成長します。自分は愛される存在であり、この世に生きていて良いのだという基本的な自信を獲得します。自分のことをすべて理解してくれる人が何をすれば良いのかを教えてくれます。自らの力ではなく、保護者のエンジンで動きます。したがって物事がうまくいくのも失敗するのも、保護してくれる人の責任であり、自分自身で責任を取ることはできません。傷つきを自分自身で修復する力を持っていません。自分の思い通りになる100%を求め、それが叶わずプライドを保てない時は、傷つきを回避しウチの世界に全面撤退します(0%)。物事が思い通りに動いているうちは問題ないのですが、自分の思い通りにいかないと、すべて諦めてしまいます。
大人の関係性
大人は自分の力で身を守ります。どの方向に飛んで行くか自分で決めて、自分自身のエンジンで飛びます。ソトの世界は学校・職場など自分のことを十分に理解してくれない遠い人たちです。自分を全面的に受け入れてくれず、少なからず傷つきます。こうありたいという自分の思いは全部は果たせず60-70%に目減りしますが、それを受け入れ他者と折り合います。失敗しても全面的に撤退することなく、前に進み続けるうちに少しの成功体験を得て、徐々に自信を獲得してゆきます。そのようにして、外の世界に自分の居場所を見出します。
ひきこもりの回復段階と家族の支援策
状況
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家族の支援策
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葛藤期
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イライラ、焦り。身体の不調。攻撃性。
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安心してひきこもる環境。守る愛が中心。ストレスを解放する。
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自閉期
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人の交流を絶つ。昼夜逆転。
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安心してひきこもりから脱出できる環境を与える。
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試行期
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少しずつ社会との接点を回復する。成功と失敗を繰り返す。
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変化への希望、放す愛が中心
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回復期
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自分の居場所を見出し、自信を回復する。
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家族の自信の回復
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葛藤期
他者との関わりに傷つき撤退します。ひきこもっていることに焦りを感じると、イライラして暴力を振るうこともあります。
まわりの人は、ゆっくり自信を回復するために、焦らず安心してひきこもれる環境を整えます。本人が立ち直る力を信じて、まわりの人は口を出さず暖かく見守ります。
1-2週間でストレスが癒され、社会に復帰します。
自閉期
2週間以上ひきこもっていると、ひきこもっていること自体がストレスとなります。復帰するきっかけを失うと長期化します。まわりの人は積極的に働きかけ、安心してひきこもりから脱出できる環境を与えます。
試行期
学校や社会に少しずつ復帰します。失敗と成功を繰り返しながら、少しずつ他者と関わる自信を回復します。家族は放す愛を与えます。
回復期
学校や社会に自分が安心できる居場所を見出します。家族は自信を回復し、成長した子どもを信頼できるようになります。
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