2020年5月22日金曜日

古民家療法7)安心して住むために

いよいよ今日が古民家リノベーションの完成。
のはずだったが、工期が延びて竣工は来週になった。

今まで業者と何度も打ち合わせして、何度も現地に行き、プランを進めてきた。
これから生活が始まる。

生活をイチからスタートする。気になることはたくさんありすぎる。
しかし、何を一番気にしているのか、夫婦で全く違うのが面白い。

妻にとって、ご先祖さまや神さまが最重要課題だ。
家の裏に小さな祠を見つけた。二つある。
それを写真に撮り、知り合いのお寺さんに見せて相談したところ、どうも水子の祠らしい。前の持ち主に確認すれば良いのだが、まだ連絡していない。
家の太い柱に古いお札と藁の束みたいなのが貼ってある。
あれ、何だろうね?
私が取っちゃおうかと言うと、ちょっと待って。地元の氏神さまに聞いてから、と言う。
古い井戸があったわよね?
ああ。新しいお風呂場の下ね。
あれ、埋めちゃったでしょ!
それ大変なことなんだって!
井戸の神さまが息をできなくなっちゃう!
今さら掘り起こすわけにもいかず、代替案として毎月、お米とお酒を神さまにあげるんだって。
土地を清めるために、家の周り8箇所に50cmの穴を掘って水晶を埋めるんだって。
結構、高かったのよ!
炭を敷いて、塩を撒き、その上に水晶を置いて埋めるそうだ。
今日、それをやろう!
業者さんにも伝えてスコップを用意してもらうから。

私は先祖崇拝の習慣がないので、これらの行為は意味を持たない。
ご先祖さまは大事でしょ!?
ご先祖さまがいたから、私たちがいるのよ!
いや、それはわかるよ。
三世代のジェノグラム(家系図)を書いて、世代間伝達を確認し、家族の歴史が今ここにどう関連しているか、とても大切な情報だよ。
でも、ご先祖さまや神さまが家の周りをうろうろしていて、幸せや不幸(たたり)をもたらすことは信じていない。
自分の人生、自分の運命は、自分で決めて、自分で切り開く方針だ。
でも、自分という力を超えたsuperpowerがいて、それに対して畏怖を抱き、自分の力には限界があるという考え方は理解できる。
でも、米を撒いたり、水晶を埋める意味は理解できない。

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私にとって、インターネット接続が最重要課題だ。
それが解決しないと落ち着かない。
東京とは違い、ネット環境は充実していない。
高山村にテレビの共同配信の計画があると聞いたので、村役場に問い合わせたら、それはテレビの電波が届きにくい地域の対策であり、光ケーブルを通してインターネットも配信できるという私の目論見は外れた。
それまでの場しのぎでホームルーター(WiMAX)を購入してみたが、auの電波は弱すぎて使えない。
光ケーブルを引っ張ってくるしかない。数ある業者をネットで調べ、どうにか来週、回線の工事が入ることになった。

妻もネットは使うけど、その仕組みがどうなってるのかさっぱりわからない。
だから、そのことは何も気にしていない。
というか、わかっていない。

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要するに何を信じるか、何が大切かの違いだけなんだ。
それがうまくいかないと不安になり、安心して住めない。
何しろ、全く新しい場所で、新しい生活をイチからスタートさせるのだから。

妻はご先祖さまを信じ、私はわかっていない。
私はインターネットを気にして、妻はわかっていない。
多くの精神科医は自閉症スペクトラム(biological model)を信じて、私は信じていない。
私はシステム理論(systems model)を信じているが、多くの精神科医はわかっていない。

心の拠り所は大切だ。
妻が信じていることは、私にとっても大切なんだ。たとえ、私がそれを信じていなくても。
今日は、業者さんも加わって、みんなで水晶を家の周りに埋めよう!

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