いろいろなところに相談に行きました。どこのカウンセリングでも「暖かく見守りましょう、休ませましょう」といいます。ホントにそうなのでしょうか?今までずっと見守って来ましたが、一向に改善しません。
専門家は否定しますが、押し出すことも必要だったのではないでしょうか。小遣いをあげ続けてきたのは本当に良かったのでしょうか?
見守り、休ませることは親の対応の基本です。でも、ひきこもりが長引いている時はそれだけでは足りません。押し出すことも必要です。
二つの段階に分けて考えましょう。
第一段階:安心してひきこもれる環境づくり
ひきこもり始めた段階では、焦りや不安を軽減し気持ちを休ませます。
ひきこもりはじめると、不安でいっぱいになり、とても焦ります。
このままでは大変だ。どうにかしないと、将来取り返しのつかなくなるかもしれない。
本人と親の間で不安と焦りのキャッチボールが始まり、悪循環のスパイラルにハマってしまいます。
しかし、焦っていると、何かをやろうとしても空回りするだけでなかなかうまくいきません。まず気持ちを落ち着け、心の平穏を取り戻します。そのために「親は暖かく見守り、休ませましょう」とカウンセラーは強調します。
普通のカウンセリングはそこまでです。休めば自然に元気を取り戻し、自分から立ち直っていく人もいます。でもそれができずに長い間ひきこもっている人は別の対応が必要になります。
第二段階:安心して社会に出る環境づくり
ひきこもりから決別して社会に出てゆくためには、「親の責任だ、もうダメだ」という気持ちから、自分で「がんばろう」という気持ちに切り替えなければなりません。それは、本来子ども自身が決心することなので、家族やまわりの人がどうこうできるものではありません。家族は安心できる環境を整え、あとは本人を暖かく見守り、本人自身が自然に決心するのを待つしかありません。従来の個人中心の心理学はそのように考えました。
家族療法の考え方では、そこをもう一歩押し進めます。本人が気持ちを切り替える環境を、もっと積極的に創り出すことを目指します。
「もうあなたは出来るはずだ。自信を持ってもよい。ひきこもっていなくてもよい。外に出てごらん!」
と、安心して社会に飛び出すメッセージを伝えます。でも、それは難しいものです。やみくもに伝えると、かえって悪くなってしまいます。伝え方には次の二つのコツが必要です。
- 親自身が十分な安心感と自信を持ち、それを子どもに伝えられること。
- 適切なタイミングを図ること。
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