2013年4月16日火曜日

お医者さんって緊張する?

「(医者の)先生だと、どうしても緊張しちゃって言えないんです。」

今朝のニュースで「処方薬自殺」の話題が取り上げられていた。
医者から処方された薬を溜め込み、大量に服薬する、いわゆるOD (Over Dose)である。
自殺を食い止めるための薬剤師の取り組みが紹介されていた。薬局で入眠剤や精神安定剤を渡した患者さんをフォローして話を聴く。

ちょっと待って。それって医者の役割ではないの?

大量服薬を図った患者さんのインタビューが冒頭の言葉です。
確かに医者は権威があって、偉そうで、緊張してしまうのもよくわかります。
ましてや、心が弱っている患者さんにとって精神的な負担は大きなものだと思います。

それを考慮し、優しい雰囲気を作り、何でも気持ちを伝えられるような信頼関係を樹立するのが精神科医の役割です。
どんなに最先端の医療技術を持っていても、患者さんが何でも話せる安心感を抱けるよう配慮できない精神科医は役に立ちません。

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「先生は精神科医で、大学教授で、会う前は偉そうで怖いと思っていたのですが、気さくな先生で安心しました。」

というような趣旨のことを患者さんからよく言われます。
精神科医としての営業上、優しさを作っている面もありますが、それ以上に私自身のキャラとして偉そうな権威性が嫌いという面もあると思います。

もともと、学生時代はバリバリの体育会系でした。先輩・後輩のタテ社会の中で、権威を受け入れ、乗り越え、やがて自分自身が権威を担っていました。私自身が権威に何度も挑戦したので、偉そうな人は必ず挑戦されるものだと思っています。

偉そうにしている人を私は軽蔑しています。大きな組織をまとめるためには役割上権威性を持たないといけないのですが、必要以上に権威を振るおうとする人は、本当の弱さを隠すために鎧をまとっているように思えて仕方ありません。

私の「先生」たちは偉そうではありませんでした。特にアメリカやイギリス留学中に教えてもらった師たちは気さくに学生たちと振る舞っていました。自信がない師ほど怒ったり権威という防衛線を張り、馬鹿にされるのではないかという不安を隠します。自信がある師は防衛線を張る必要はなく、気さくに相手と向き合うことができます。

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