児童・思春期精神科医、家族療法 Child and Adolescent Psychiatrist, Family Therapist 精神科コンサルテーション(不登校・ひきこもり、家族ミーティング、男性外来、夫婦関係) 専門家支援(スーパービジョン、講演・研修、精神科医・臨床心理・教育関係者、子ども家庭福祉) International Psychotherapy; Adolescent, Marriage and Family Therapy.
2021年3月31日水曜日
私が生きてきた価値とこれから
JKT Case Conference
2021年3月16日火曜日
古民家家族療法
根源的な
家族のパワーを使って、
2021年3月8日月曜日
ひきこもり連載(11)スクールソーシャルワーカー
公明新聞 2021.3.4.
スクールソーシャルワーカーという職種はあまり知られていませんが、ひきこもりの支援に大きな力を発揮しています。いじめ、不登校、児童虐待、ひきこもり、貧困など、子どもを取り巻く問題に対応するために、15年ほど前から学校現場に配置されるようになりました。本人と家族の状況を把握し、必要に応じて社会の資源につなげるのがその仕事です。
中学生のAさんは不登校で、リストカットを繰り返していました。スクールソーシャルワーカーから勧められ、Aさんと母親が私の病院にやって来ました。話を聞くと家族の問題が見え隠れします。保健室の先生に「死にたい」と漏らすなど、命の危険が迫っていました。
スクールソーシャルワーカーが中学校の先生、スクールカウンセラー、児童相談所、医師を集め、ご両親も加わって緊急の会議を開き、Aさんの見守り体勢を整えました。この会議をきっかけに、それまで全く姿が見えなかった父親も診察に来るようになりました。母親からは仕事に逃げ、家庭を顧みない父親と聞いていましたが、二人の話をよく伺うと、母親は父親のやり方が気に入らず、子どもに関わってほしくないというのが実情でした。家だとけんかになるのでこの話はできません。
Aさんは病院に通ううちに自分の気持ちを話せるようになり、つらい気持ちを打ち消すために手首を切っていたと打ち明けてくれました。それも治まり、学校にも保健室登校を経て教室に顔を出せるようになりました。
ひきこもりは本人の力だけでは、あるいは家族、学校、医療など個別の力だけでは解決困難です。異なった立場の人々が連携することで解決の可能性が高まります。スクールソーシャルワーカーは子どもと家族を教育・福祉・心理・医療などの社会資源につなぎます。
新しい職種であるスクールソーシャルワーカーの役割はまだ十分に知られていません。今後の活躍に期待しています。
2021年3月4日木曜日
薪の生活
2021年3月1日月曜日
ひきこもり連載(10)ネット依存
公明新聞 2021.2.25.
学校、職場、地域や家族など本人にとっての居場所が楽しく充実していれば、ネットにはまっても必ずそこに戻って来られます。そこがストレスに満ち、居心地が悪ければ依存の世界へ逃避し、現実世界に戻れなくなります。それがひきこもりの実態です。
ネット依存とひきこもりの解決のカギは、自分の存在が認められているという豊かな現実の回復です。家族が協力して問題を解決しようとする試みは、豊かな家族を回復する良い契機です。ゲームやネットの使用について、本人と家族がよく話し合ってみましょう。家族おのおのがどのように問題を感じているかを伝え合います。一方的に親の主張を押し付けるのではなく、本人の気持ちも理解します。なぜ長い時間ゲームにはまってしまうのか。なぜ朝、起きられず学校に行けなくなってしまうのか。本人もそのことはよく分からず答えられないかもしれませんが、それで構いません。