2020年7月9日木曜日

古民家療法14)ワークショップ

明日から週末にかけて3日間、おひろめ会とワークショップを開催します。

今回のワークショップは「土壁を再利用したカマド作り」
その第一弾として解体して崩した土壁に藁を練り込み、日干しレンガを作ります。
古民家リノベーションを手掛けてくれたアトリエDEFさんが主催してくれます。
そのウェブサイトには次のように書かれています。
  • 誰もが安心して過ごせる健やかな暮らし
  • 自然との調和・一体感
  • 自分で創る暮らし
  • 庭で野菜を育てたり、薪を割ったり、釜戸でお米を炊いたり
  • 輸入材や合板材ではなく、無垢の国産材を使う
  • 自然に還し、再利用する、環境と共存した暮らし
これらは私のこだわりとぴったり相通じる部分があります。
、、、一部、それほど相通じない部分もありますが(笑)
私は無垢の国産材でなくても、輸入材や合板材で安心して過ごせます。
国産材に越したことはないですけど、コスパが、、、
シックハウス症候群や化学物質過敏症の方も時々診察しますが、状況は複雑に絡んでいる場合が多いです。

誰もが安心して過ごせる健やかな暮らし

私もそれを一番大切にしています。
工務店のDEFさんは住まいの観点から、
精神科医で家族療法家である私にとって、住まいもそうですけど、むしろ人と人との繋がりの観点から、それを実現したいと考えています。

安心感=それは心の感性です。
環境や住まいという側面から生み出されるものでもあり、
人と人との繋がりの中で生まれるものでもあります。

心の病や、家庭や学校や職場での生活に適応できず、悩んで困っている人たちに多く接していると、身近な人たちと安全に繋がれていない場合がとても多いです。
安心の愛着(secure attachment)の形成不全なんですね。
なにも、世界平和や人種差別を問題にしているわけではありません。
大きな社会レベルのマクロな話というよりは、
小さなひとりの精神科医としては、小さなミクロレベルの話をしています。
毎日の生活で関わる大切な人たち:家族や、友人や恋人や、近隣・地域の人たちや、学校の先生や、職場の同僚などです。
これらの人たちと安心して繋がると、心理的には健やかな暮らしと幸せが実現します。
逆に、不安のままで繋がってしまうと、たいへんです。心の病気になったり、学校に行けなくなったり、暴力を振るわれたり、恨んで殺されちゃったり、、、

どうやったら安全に、心安らかに繋がることができるのか?

そのことを、長年、多くの人たちと接する中で考えてきました。
その試みが古民家療法です。
安心できる環境の中で、
人々が安心して交わります。
  • 言葉を介して、
  • 生活の営みや共同作業を介して、
前者の方は、私がやります:古民家で診療します。そのための広い土間と薪ストーブなんですね。
後者の方をワークショップで実現したいと考えています。
ひとりで土壁をコネコネしても楽しくありません。
家族や仲間と一緒に、ワイワイしながらコネコネします。
ものづくりの楽しさと、大切な人と気持ちよく繋がる楽しさを体験します。
そのついでに、言葉を介して繋がります。
いきなりカウンセリングはなかなか敷居が高いものです。
古民家を体験して、コネコネして、そのついでに、、、
なら家族を説得しやすいし、
のびのびと安心した環境の中だと、普段の日常生活の中とは違う言葉が生まれます。

安心感・不安感などの感情は、コロナ・ウィルスのように人から人へ伝染します。
ひとりが不安だと、まわりの人も不安になります。
安心な人がいると、まわりの人も安心します。
もっとも、これは親しい人同士の間に限りますが。
そのためには、心理的な三密が必要になります。
  1. 心理的密閉空間(換気の悪い密閉というよりも、安全とプライバシーが保たれた密閉空間である)
  2. 心理的密集場所(その人にとって大切な人が密集している。家族や親せきや学校の先生や)
  3. 心理的密接場面(互いに気持ちを伸ばしたら届く距離での会話や発声が行われる)
これを確保できる場所がうちの古民家です。

そこに関わる私自身も安心感を保持していたいです。
そうすれば、私の安心感を人に伝染させることができます。

どんな共同作業をやりましょうか?
例えば、私中心で考えると次のようなことです。
私はアウトドア派なので、インドア派の人にはちょっと違和感があるかもしれませんが、
  • レンガでカマドを作って窯焼きピザ、バーベキュー、燻製ベーコンづくり
  • ウッドデッキでのんびりコーヒーとケーキ(あるいはお酒)
  • 野菜・果物の手作り。花壇。
  • 夏のたそがれ時の焚火
  • 木の実を採取して料理(栗、柿、梅、琵琶、、、)。
  • 薪割り
  • 薪ストーブの前で語らい
  • 味噌づくり、コンニャクづくり、、、あとどんな伝統食があるだろう??
これらのことを、ひとつひとつ実現してゆけたら嬉しいです。

「死」を支援する

7月4日の「子どもと家族の研修会」のご報告です。
参加者は3名。
みな、支援者の立場の人たちだったので、グループSVのようになりました。
参加者からのフィードバックです。

 今日は、「死」をテーマとなった事例を2つ出しましたが、事例を出してよかったと改めて思いました。クライエントを失った経験を自分の中で消化し切れていなかったため、クライエントの死を経験したスーパーヴァイジーのサポートの仕方に自信を持てずにいました。結果的には、計画していた内容でよかったので安心できましたが、この場は、自分にとっても、スーパーヴァイジーにとっても重要になる場だと感じました。
 スーパーヴァイジーの臨床家としてのキャリアは、これからも続くわけですし、そんな彼らのキャリアに影を落とすトラウマ体験となるのではなく、この経験が学びに、成長につながるようにサポートしなければいけません。しかし、そのような時に、スーパーヴァイザーがグラついていては話になりませんので、このような場で自分の方針を複数の視点から検証してもらうことは、スーパーヴァイザーとしての成長につながると感じました。

クライエントが語る「死」にどう向き合い、どう支援するかということは、セラピストにとって試金石であります。クライエントうまく支援できるという体験がセラピストの成長につながりますが、「死」に関わることはそれが最も顕著に現れます。
なぜなら、「死」はさまざまな強い感情を呼び起こすからです。
たとえば、
一人称の死:自分の死に対する恐怖・不安
二人称の死:大切な対象を失う喪失に伴う悲しみ
三人称の死:クライエントの死は、セラピストにとって失敗体験であり自信喪失につながります。また、クライエントとの治療的な愛着関係を形成していれば、セラピストにとっての喪失体験でもあります。
自殺・自傷行為:自ら死を選ぶことは、生きている我々の価値観に真っ向から相反しますからその気持ちに共感することが困難であり、タブー視、偏見、怒りなどの気持ちが表れます。

クライエントが語る「死」を冷静に受け止めることはセラピストにとって困難であり、
家族であればなおさらのことでしょう。クライエントの家族も支援することが重要になります。
共感する中で巻き起こる心の中の強い感情に向き合い、その危機に対処します。
嵐の渦中にいながら、いかに冷静さを保つことができるか。
それが、支援者性を試される試金石であります。

客観的に考えれば、つまり距離を開けて理屈で考えれば、それほど難しいことではないのですが、
主観性の渦中にいて、感性的に巻き込まれた状況の中では、自分の客観的な立ち位置を確保することはとても困難です。

閑話休題。
毎年繰り返される梅雨末期の豪雨災害ニュースを昨夜もテレビで観ていました。
高台で安全を確保しているアナウンサーが大量の水が氾濫しそうな河川の様子をバックに、危機的な状況を、冷静にしゃべっています。
現場は危機です。
しかし、テレビで観ている私は、その危機感を理解しても、危機的な感情は伝わりません。
もし身内や知人が現地にいたとしたら、ドキドキしてパニックになるでしょう。

スポーツ中継のアナウンサーは、自身も興奮した口調でしゃべりますよね。サッカーのゴールとか、オリンピックの中継とか。
災害中継でも、アナウンサーが同様に興奮してしゃべったら、どうなるんでしょうか???
エンターテイメントではないから、興奮は伝える必要がなく、冷静な対処行動を伝えたいんですよね。
コロナでも同様か!?

2020年7月1日水曜日

合宿スーパーヴィジョン

2020年度 合宿スーパーヴィジョン

 

目的)二泊三日の集中合宿で当事者としての自己を語り、真に共感できる支援者性を磨きます。

 

期日

第1回)2020723日(木・祝)〜25日(土)<メタ合宿(経験者のみ)>

第2回)2020828日(金)〜30日(日)

第3回)2020920日(日)〜22日(火・祝)

 

参加対象者: 

l  守秘義務を遵守できる専門職(医師、看護師、臨床心理士、社会福祉士、精神保健福祉士、養護教諭・教師、相談員など)

l  参加者のプライバシーと安全を確保するため、原則として各機関より一名の参加といたします。

l  第1回は過去にSV合宿に参加した方のみを対象とします。

 

内容

第1回)過去の合宿経験を踏まえ、当事者であり支援者である自己の統合を目指します。

第2・3回)ジェノグラムや家族造形法などの手法を用い、自己と家族を振り返ります。

 

日程(各回共通)

1日目)午後2時集合。14-17時(セッション1)

2日目)9-12時(セッション2)、14-17時(セッション3

3日目)9-12時(セッション4)、正午に終了。

 

講師:田村 毅(精神科医、日本家族療法学会認定スーパーヴァイザー)

会場:田村毅こころの診療所(群馬県吾妻郡高山村尻高3025

定員:各回8名(先着順に受け付けます)

受講料:22,000円(税込)

 

宿泊(下記の選択肢からお選び下さい)

1.     通いの参加(宿泊なし)

2.     近隣の温泉旅館をご紹介します(伊香保温泉、四万温泉など。一泊2万円程度)

3.     古民家合宿(高山村こころの診療所)。一泊につき3千円(食費込み)

 

申込み・お問い合わせ

l  田村毅の公式ライン、もしくはウェブサイトよりお申し込み下さい。

2020年6月25日木曜日

7月の活動予定

●▽●▽ 7月の活動予定 ●▽●▽

★7月4日(土)13:00-15:00
子どもと家族の研修会(誰でも参加できます)
大森相談室+オンライン参加

★7月10日(金)〜12日(日)10:00-15:30
古民家おひろめ会+ワークショップ

★7月18日(土)13:00-16:00
子どもと家族の研修会(誰でも参加できます)
高山村こころの診療所+オンライン参加

★7月19日(日)13:00-16:00
グループ・スーパーヴィジョン
(主に支援者向けですが、誰でも参加できます)
高山村こころの診療所+オンライン参加

以上、研修会とスーパーヴィジョンは、今月も参加費=無料といたします。
参加希望者はご連絡ください。

研修会とスーパーヴィジョンの様子はブログに逐次掲載しております。

支援者性・当事者性とスキー場

これまでは、
子どもと家族の研修会→当事者向け
グループ・スーパーヴィジョン→支援者向け
と区別していました。

しかし、今回その垣根を低くしてみようと思い立ちました。
研修会には支援者もOKです。
グループSVも支援者ではない当事者に開放します。

当事者とは、家族や自分自身に解決すべき「問題」を抱えている人。つまり患者さん(クライエント)です。
支援者とは、自分自身のことではなく、他者のために支援しようとする人です。たとえば、守秘義務を遵守できる専門職(医師、看護師、臨床心理士、社会福祉士、精神保健福祉士、養護教諭・教師、相談員など)
ということです。
「この両者は支援する側・される側という別のカテゴリーだから研修なども分けるべし!」
というのが、一般的な、無難な、というか当然の考え方です。
でも、私はその常識に挑戦したいと考えています。
なぜなら、
当事者性と支援者性は循環しているから。
というのは、私がいつもお話ししていることなのですが。
人は自分自身の人生を生きているから、他者の人生もわかるし支援できます。
しかし、みなさん
「私は問題を抱えた患者です。」
「私は患者さんを支援するプロです。」
という二分法のラベルを持ちます。ラベルがなければわかんなくなってしまいますから、まあラベルは必要なんですけど。

でも、支援者は自身の当事者性を、当事者は自身の支援者性を忘れてはいけないんです。つい、忘れてしまうのですが。
忘れてしまうと、うまくいきません。
支援者が忘れてしまうと、忘れている自分自身の当事者性を支援対象(患者さん)に投影してしまいます。しかも、そのことに気づけません。
当事者が忘れてしまうと病気が治りません。当事者は自分の支援者性に気づくことによって回復していきます。

ですから、張り付けられたラベルの色が異なるだけで、もとをただせば人はみな同じなんですよ。

支援者(医者とか)・当事者(患者とか)は、その人に与えられたラベル(色分け)ですが、支援者・当事者は、異なった概念です。

当事者性とは、自分の人生を必死に生きている主体です。主観性の世界、感性の世界であり、余裕なんかない、頑張って必死に生きています。平穏で楽しさに満たされている時は幸せだし、逆に大変な時は辛くて、困って、身動きができない状態に陥ることもあります。良くも悪くも、とっぷりその気持ちの中に浸っている状態です。まあそれがあるから幸せも不幸も感じることができるのですが。

支援者性とは、そういう自分(あるいは他者)をどこか冷めて眺めています。客観性の世界、理性の世界です。感性に流される自分という主体(あるいは他者)の気持ちを受け止めながらも、今、どういう状態で、どんな気持ちでいるかを頭で理解していて、じゃあどうしたらよいのか、解決策を理屈で考えることができます。

これは、Bowenの言う自己分化(Self Differentiation)にも近い概念です。

支援者性だけでは人生おもしろくありません。当事者性があるからこそ人生の楽しみや苦しみを「感じる」ことができます。しかし、当事者性だけで支援者性が機能していないと、気持ちのコントロールが効かなくなってしまいます。「幸せの当事者性」に浸っているときはコントロールしなくても構わないのですが、「苦しみの当事者性」に浸っているときは、そこから抜け出すために自分自身の、あるいは他者の支援者性が必要になります。

隠された支援者性を磨き、自分自身や他者(クライエントや自分の家族など)の当事者性をうまくコントロールしてあげる。

当事者さん対象の研修会も、
支援者さん対象のスーパーヴィジョンも、
やってることを突き詰めれば、上記の言葉に還元されます。
では、何が違うかというと、難易度が違うんですね。
参加者の言葉をご紹介します。

 私は当事者の立場でしたので、今回初めてグループ・スーパービジョンに参加させて頂きました。支援者の方がどんなことをされているのか、とても興味深く楽しみでわくわくした気持ちで臨みましたが、終わる頃には全く反対の感情が出てきました。
「グループ・スーパービジョンって、なんて厳しいのだ!これは自分と向き合うことだわ!しかも事例を出すことは皆さんの前で自分と向き合うこと!うわ~怖いな。。。あっ、だから事例を決めるジャンケンのとき、私はなんとなく5と4は避けてしまったのかな、、、グループ・スーパービジョン、さすが支援者向けだわ。」
これが私の率直な感想です。

スキー場で例えれば、緑の初心者コースか、赤の中級者コースかという違いなんです。
当事者さん対象の研修会は緑のコース
支援者さん対象のスーパーヴィジョンは赤のコースです。
スキー道具や滑り方自体は何も変わらないのですが、斜面の角度が違います。
斜面とは、自分の(相手の)見たくないものです。そこに滑り込んでいきます。
自分の人生の、見たくないものを見てしまうと、とんでもない感情が押し寄せて圧倒されてしまいます。
やっぱり私はダメな人間なんだ。
生きてる価値なんかないんだ。
自尊心が底をつき、落ちてしまいます。

緑のコースでは優しく滑ります。
スピードはゆっくりだし、怖ければ滑らなくても、迂回しても構いません。
赤のコースでは斜度がもう少し急になります。怖くなります。
でも、怖いから嫌だとか言ってられません。仕事で人さまを支援するためには、どうしても滑り降りなければなりません。怖さを乗り越えなんとか経験できれば、怖さが軽減します。その斜面はもう怖いものではなくなり、ほかの人が滑る支援もできるようになります。

黒の上級者コースも用意してます。
合宿スーパーヴィジョンです。
何しろ2泊3日の集中コースですから逃げられません。
合宿に参加してスキルアップしたい(と理屈ではわかる)のだけど、怖くて参加できない人が結構います。
参加してしまえば、何とかなるものなんですけど、参加するまではビビりますよねぇ。
逆に、いったん参加したらやみ付きになり、毎年参加しているリピーターさんもいます(笑)。
参加者さんの言葉の続きです。

 やることは厳しいけれども、古民家と田村先生が醸し出す雰囲気に、又この日は皆さんとお茶タイムがあったりしてなんともあったかいひとときを過ごさせて頂きました。この場にいることがとても嬉しくなりました。
 参加者の方が「今まで言えなかったことを言ってよい場、言える場」とおっしゃっていたことがとても印象的でした。

どのコースでも、支えてくれるガイドさんの存在が大切です。
勇気を出して、自分の見たくないものに踏み込み、自尊心の底に落ちてしまっても、
「それでもイイんじゃない!!」
と無条件の承認を与えてくれる人がいれば、安心して滑り降りることができます。

、、、赤塚不二夫の「これでいいのだ!」は名言ですね!

急坂でもうまく滑り降りる人もいれば、
コケてひっくり返って、グルグル斜面を転がる人もいます。
でも、しょせんスキー場は危険を排除された安全な場所なんです。
コロコロ雪まみれで息苦しくなり、何が何だかわからなくなっても、骨折などの致命傷を負うことはありません。

初めて参加される方は、どのコースを選べばよいのでしょうか?
そう迷ったら、緑のコースからどうぞ。
それを難なくこなし、物足りなくなったら、徐々に難易度を上げていってください。
自信があればいきなり赤の中級コース黒の上級コースから始めても結構です。
その結果、やみつきになるか、散々な目にあってスキーは二度とやらないことになるかは、あなたの自己責任です。

ちなみに、このリンクが去年の合宿SVの様子と、参加者からのフィードバックです。

2020年6月23日火曜日

言葉が心を変える

2020.6.20-21.
先週末は
土曜日に、子どもと家族の研修会(参加者は3名)、
日曜日に、グループ・スーパーヴィジョン(参加者は9名+オンライン2名)
を行いました。
まず、参加者からの振り返りをご紹介します。

 専門職の方々とご一緒させて頂き、緊張しながらも初めて参加させて頂いたGSV、すみません 家族療法とは少しポイントが離れたケース提案だったかと思いますが、とても勉強になりました。

いえいえ、ポイントはずれてませんよ。
家族が話題にのぼらなくても、本人と本人を取り巻く人間関係についてのお話だったので、家族療法の考え方そのものです。
それに、ここで提案するケースは、家族療法うんぬんにこだわる必要はありません。
どんなケースでも、どんな視点でも構いません。

 今回は先生が寝室としてお使いになられているお部屋での研修会ということで、また雰囲気が違いました。
 最初にお部屋に入って目に入ったのが昭和時代、いや、もっと昔?を彷彿とさせる「ちゃぶ台」!なんだかこのちゃぶ台を囲んでの会の雰囲気に妙に落ち着いてしまいました。人数も少なく、参加者の方とも初対面ではなかったので、じっくりと話すことができて「繋がり」を感じることができました。
 会の中で先生から、「なぜお子さんは回復したのですか?」との問いに一瞬答えに詰まってしまいました。意外でした。私なりにわかってたつもりがよくわかってなかったのかな。。。改めて今振り返りました。
 子どもがうつ状態になったことで本当に心の底から感じた「学校行かなくていい。生きていてくれればいい」という私の感情。スキンシップをたくさんして、なんとか家の中では生活できるようになり、しかし外へは出られない日々が続く、、、。
 田村先生のもとで家族療法に取り組みました。その中で、夫の一言で私の気持ちが変わり、夫婦関係が変わり、親子関係が変わりました。子どもに対して「守る愛」から「放す愛」に変わりました。私が「放す愛」を学びました。親子3人の間で本音を話すというコミュニケーションに最初はカウンセリングの場で挑戦して、徐々にカウンセリングの場でなくてもなんとなく言えるようになってきたと思います。夫の存在が心理的に近くなり、私自身が家族の中に安心を感じるようになりました。
 少しずつ少しずつ、新しいコミュニケーションを慣らしていくうちに子どもも少しずつ回復してきて今に至っているように感じます。
 これは私の振り返りですが、子どもにも「なぜ自分が回復したと思う?」と尋ねてみました。すると、「田村先生が『もうウツは治ったよ。少しずつ良くなっていくよ』と言ったから。お医者さんが言ったから大丈夫だと思った。ママが言っても医者ではないから」と。
私の変化は夫の一言で、子どもの変化は田村先生の一言のようです(笑)。

「一言」の言葉は人を回復に導きます。

言葉は人を変える力がある。
というのは、誰でも経験しているし、説明しなくても納得できると思います。
それができれば、薬を使う必要もありません。

家族の力は絶大です。
家族の言葉で、人の気持ちはとても変わります。
良い方向にも、
あるいは、悪い方向にも。

この子のように、私の言葉で患者さんが変わることもあります。
でも、せっかく家族という大切な資源があるのですから、家族の言葉を使わない手はありません。
悪い方向ではなく、良い方向に変わることができる言葉を、家族がお互いに伝え合える土俵(下地、文脈)を用意するのが私の役割であり、家族療法の考え方です。

2020年6月21日日曜日

古民家療法13) 古民家おひろめ会

内覧会とワークショップを開きます。