2018年1月1日月曜日

今年の診療方針・活動方針

新年を迎えました。

2011年の6月に田村毅研究室を東京西麻布の地に開設してから、今年で7年となります。
開業するまでは、公務員として大学に勤めていたので、経営の経験など全くなく、健康保険も、薬も使わない自由診療が、果たして成り立つのか、なんの根拠もありませんでした。
なんとか7年間ここまで続けられてきたのも、みなさんのご支援のおかげです。どうもありがとうございます。

一年の計は元旦にあり。
気持ちをリフレッシュして、今年もみなさまのお役に立てるよう、努力してまいりたいと思います。

ここで、改めて、私の診療方針と、今年の活動方針についてお伝えしたいと思います。

<診療方針>
『人」の力で問題を解決します。
心の問題や苦しみ・悩みのほとんどは、人との関係性の中から生まれてきます(非機能的な関係性)。大切な人から傷つけられたり、裏切られたり、失ったり。
したがって、大切な人との関係性を回復することにより、人々は苦しみから解放されます。
  • 人と関わる力を回復して、社会(学校や会社)の中に安心できる居場所を得ます。
  • 人と関わる元気の素は家族から育みます。親との関係、子どもとの関係、夫婦間の関係、きょうだいとの関係、祖父母世代などなど、安心できる関係を回復します。
  • それを支援する私が触媒になります。よくお話を伺い、十分な信頼関係を作ります。
「病名」は使いません。

  • 医学的・科学的に明確に診断できる場合を除いて、病名は使いません。特に使わなくても、問題は解決します。
  • うつ病、発達障害、アスペルガー障害、パーソナリティ障害などなど、多くの精神疾患には客観的なエビデンスが乏しく、操作的診断基準による仮説です。
  • 病名が必要な場合もあります。普通の人には起こらないこんなことが、なぜ起きているのか、本人が、家族が、専門家が理解する枠組みを得ます。このような場合は、その病名を尊重します。
  • 病名が元気を奪う場合もあります。偏見の対象になったり、自信を失うなどです。このような場合は、その病名から解放します。
  • 多くの精神科医やカウンセラーなどの心の専門家は、医学・生物学的な視点から心の問題を理解しようとします。つまり、身体の中の異常、とりわけ脳神経系になんらかの問題が生じているとアセスメントします。この場合は、正確な医学的診断が必要となります。
  • 私は、医学・生物学を含めた生物・心理・社会モデル(Bio-Psycho-Social Model)という広い視点からアセスメントします。医学的診断(病名)は相対的なひとつの指標として、解決のためのツールとして用います。

「薬」の力は借りません。

  • 「人の力」を有効に使うことができれば、「薬の力」は必要ありません。
  • 通常の保険診療では「病名」と「薬の処方」がどうしても必要になります。
  • 私の自由診療では、薬は必要ありません。その代わり、相手と向き合い、さらに自分自身と向き合い、深い会話が必要となります。

<今年の活動方針>
・家族の力を賦活する
精神科領域では、問題を持つ当事者が治療に消極的で会えない場合が少なくありません。本人が不在でも、家族が元気を回復することで、本人も元気になります。

・グループの力を活用する
「ひきこもり脱出講座&交流会」、「男性のサポートグループ」など、なんでも話し合える仲間を得ることで、みなさん元気を回復されていきます。このような機会を増やします。

・支援者の支援
本人を支援する家族、本人と家族を支援する支援者・専門家(教師、カウンセラー、医療者など)も、どう支援したら良いか戸惑います。専門家へのスーパーヴィジョンで、そのような人々に指針を与えます。

・学会・執筆活動
国内外の学会に参加して、後進の指導に当たります。
特に、海外のアジア地域の専門家たちとの連携を深めます。
これまで積み重ねてきた経験を、本として出版します。

本年も、どうぞよろしくお願い申し上げます。

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