2018年9月28日金曜日

母親である私自身の相談でも大丈夫でしょうか?

あるお母さんから次のようなメールをいただきました。

先日、【思春期 やる気ない】で検索し先生のブログにたどり着きました。
2011.6.30付のブログ「やる気のエンジンの切り替え時期(=思春期)」に載っていた保護者の方々の相談内容に驚きました。幾つもの内容の全て、まさに息子の様子そのままです。先生の親と子のエンジンのお話、とても納得しました。その通りだと思いますし、そう心掛けて行動したいと思います。

今まで本や相談などで、こうしたら良い・こう考えたら良いという情報や助言をたくさん貰ってきたのですが、
【子どもの姿は、親の出来不出来の結果】
【子どもの姿は、親の通知表】
【私が上手に出来なかったから、子供が自己肯定感が低くやる気が無くなってしまったのだ】
という私自身の気持ちが払拭出来ません。この、私自身の問題が諸悪の根源ではないかと思うようになりました。
一般的な成長過程にある(と見える)我が子の相談ではなく、母親である私自身の相談ということでも大丈夫でしょうか?

ずいぶん前のブログを読んでいただきありがとうございます。
これは7年前に学校で講演した際、実際に頂いた質問です。

どうぞ、お母さん自身の相談としてお越しください。
子どもに問題があっても、お母さん自身の問題として捉えられているのは、とてもよく考えていらっしゃる証拠です。

しかし、ここには根本的な認識の間違いがあります。

お母さんが、問題(諸悪の根源)ではありません。

「お母さんに問題がある」という思考プロセス自体に問題があります。


「やる気エンジンの切り替え」のお話を理屈ではよく理解いただいたようです。
しかし、お母さんが実際にやっていることは、いまだに親のエンジンで子どもを動かそうとしています。

親のせいで子どもに問題がある。
という発想は、親が子どもの責任を取り続けているわけですね。
つまり、いまだに親のエンジンで子どもを動かそうとしているわけです。

思春期前の子どもに対しては、親はしっかり責任をとってください。
しかし、思春期以降になったら、親は子どもの責任を取らないでください。
子どもの問題に対して、親が責任を取ったら(親のエンジンを繋げたら)、子どもは自分で責任をとれません(自分のエンジンを試せません)。

そのお気持ちを切り替えることが大切です。

このお母さんは、実際に相談にいらして、次のようなお話をしてくれました。

実は私自身も若い頃、そういう時期がありました。
中学までは予習・復習をきっちりやって、成績が上がり、よい高校に進学しました。
しかし、高校に入ってから、一時期なぜかやる気を失い、勉強を全くしなくなりましたた。
大学受験もうまくいかず、一番入りたい大学は不合格でした。
でも、受かった大学に入ってからは気持ちを切り替え、なんとか卒業して、今に至っています。

ほら、そうでしょ!?
人は、人生のマラソンを走り続けているわけではありません。
時には立ち止まり、しばらく休む時期があるものです。
このお母さんは、現在お仕事で社会に貢献し、家庭では立派な母親として頑張っていらっしゃいます。
お母さん自身にも若い頃、エンジン切り替えの時期があったわけです。
さらに、次のように話してくれました。

子どもにはこうなって欲しい、良い生活をして欲しいという期待がどうしてもあるんです。
子供の成長を待つのが苦手なんです。

そのとおり、当然ですね。
すべての親は、子どもの幸せを願っています。
だからこそ、子ども自身の力で、幸せを手に入れさせてあげて下さい。
親の力で幸せを手に入れたとしても、それは本当の幸せではありません。
だからといって、親が子どもに何も言わず、子どもの成長を待つだけではいけません。
本当は言いたいのだけど、言うこともできず、待つ=子どもへ不安の眼差しを注ぎ続けているわけです。

しっかり、子どもに自分の責任を取らせてください。
勉強せず、ゲームの毎日で、努力せず、ダラダラしている、、、
そういう子どもに対して、
心配する親の眼差しを切ってください。
子どもへの心配を、心から追い出して下さい。
といっても親の気持ちとしては、なかなか出ていきませんから、身近な人に心配を受け止めてもらってください。
ご主人が一番良いでしょう。
友だちやカウンセラーでも結構です。

子どものエンジンは、必ず動き出す。
そのように、お子さんを信じてあげて下さい。
親は子どもを心配せず、自分自身の人生をポジティブに進めて下さい。

自分のせいで子どもがこうなった、、、なんて、親としてのご自身を否定しないでください。
もちろん完璧な親ではなかったでしょう。
ダメ親の部分もあったでしょう。
でも、ここまでちゃんと立派に子どもを育ててきましたよね。
そのように、親がご自身を肯定すれば、その姿を見ている子どもも自分を肯定するようになります。
そのようにして、子どもはゆっくりと自分のエンジンを動かせるようになります。

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