2011年4月12日火曜日

被災地レポート

陸前高田に入り二日目。
壊滅的な被災地の悲惨さには息を呑む。自衛隊と重機が多数入っているが、復興にはほど遠い。
被災者たちの危機管理、安全を確保する最低限の支援は満たされつつある。しかし、QOLは正に最低レベル。水は汲み出し、不衛生な臨時トイレ、火を使えないので、食事は配給か炊き出し。山岳部時代のキャンプ生活のようなものだ。一過性に生きながらえても、長期間とても耐えられるものではない。
支援するためのインフラはかなり整ってきた。私が加わっているNGOの支援チームは、陸前高田市郊外にベースキャンプを確保し、水、電気、ネット、それに安全性などが十分に確保されている。
最低限の生存のための支援はかなり整っているように見える。毎朝と夕方に開かれる医療ミーティングと保健ミーティングに参加した。全国各地から自治体の保健師チーム、医大チームなどが多数入り、地元の支援者が中心になり、担当地域の分担、情報交換などネットワークも整いつつある。避難所の人数は減りつつある。ここで見る限り、医療保健支援者と医療品などの資材はむしろ供給過剰気味だ。他の小規模被災地の状況がみえない。憂慮される。
今後の課題。
☆危機介入的なPhase 1支援はほぼ満たされ、今後はより安定した生活を目指すPhase 2に移行しつつある。それは、住居、水道、電気、下水、道路、交通、経済活動など多方面。そこに医療、保健なども含まれる。
☆心理サービス、精神医療も壊滅したので、それを補う支援は必要であり、各方面からのサポートはある。それとは別の次元て、被災者がみな経験したはずの喪失を癒し、PTSDを予防する心理支援はようやく緒に着いた段階。また、被災の最中で、Post-になりきっていない。
☆広範囲に広がり、刻々と変化する支援の需要と、全国からどんどんやってくる支援チームの供給を把握しマッチさせるコーディネート機能が必要。今は地元行政が担当してるが、彼ら自身被災者で、不休の激務でかなり疲弊している。
☆子どもと家庭の心理支援ニーズをどう把握し、どう供給するか。来週から新学期が始まる。先生たちも被災している。明日、地元の教育委員会と話し合う予定。


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