2013年2月9日土曜日

支援者の自己と向き合う講座

昨日の講座の様子(というか私の感じたこと)をお伝えします。
今回は比較的人数が多かったのである程度(中程度かな)に構造化しました。
人数が少ないと、構造化する必要度は低くなります。たとえば1対1のスーパーヴィジョンやセラピーであれば、対話の中でその人のニーズに特化した構造を作っていけば良いわけです。人数が多くなると、複数の人たちのニーズを満たすために構造をあらかじめ作ります。昨晩は、ひとりの語りの時間的な枠組みを作りました。始めは全員には回すことができないかなと思ったのですが、幸い2時間の枠組みで全員の方の時間を作ることができました。
もっと構造化する方法もあります。それは語りの内容にまで踏み込む場合です。人数がもっと多くなったり、固定メンバーにすることができたら、それもやってみましょう。

なぜ自己と向き合う必要があるのか?
そのニーズは何となくわかりますよね。
心の支援者は他者(クライエント)に向かい、共感します。
それをうまく(深く)達成するためには、他者に行う前に、自己に対して行います。
講座ではそれを具体的に実践していきます。「講座」とは銘打っていますが、実際は研究会、あるいはグループ・ワークに近いです。
なぜ、わざわざ自分と向き合うの?自分のことだからそんなことしなくたって知っているのに。
そう、確かに知ってはいます。でも確認はしていない。
確認するためには、小道具が必要です。
容姿を確認するにはを使いますね。
心の内面を確認するには、承認してくれる他者を使います。
自己の内面と向き合うとは、表現した自己の一部を他者が受け止めてくれるプロセスです。
自分ひとりではどうしても完結しません。座禅を組んだら、ひとりで自分を見つめることはできます。でも、そのことを他者に伝えるプロセスがどこかで必要になります。
芸術家は作品(絵画、音楽、文学など)をとおして表現するでしょう。
我々は、言葉をとおして表現します。言葉が大切なんです。
そして、言葉をしっかり受け止め、承認してくれる他者の存在です。
その二つがちゃんとあれば、自己と向き合うことはそれほど難しくはありません。

なぜ自己と向き合う必要があるのか?
普通の人は、そんなことしなくても、問題なく生活できます。
向き合う必要が出てくるのはふたつの場合です。
ひとつは、心の問題・課題を抱えている場合です。それを解決するためのひとつの有効な手段が自己と向き合うことです。
もうひとつは、他者の心を支援しようとする人です。相手の問題・課題に向き合うために、まず自分自身と向き合うことが大切です。それをすっ飛ばしてしまったら、相手を理屈では理解できても、心で共感できない支援者になってしまいます。

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