2012年9月22日土曜日

ひきこもりの治療


はじめまして。
何年間も家にひきこもっている者です。
以前から東京都ひきこもりサポートネットや別の病院にはお世話になっており、twitterやブログなどで田村先生の名前を知り、先生の診療に興味を持ちメールを出す次第です。
学校でいじめにあい登校拒否、希望の高校が不合格で、仲が悪かった親とにらみ合いの喧嘩になり、半ば引きこもり状態です。
病院の精神科でも治療を受けていましたが、そこでもうまく通うことや予定を守れることができず、途中でやめてしまいました。
以前は家族に暴力をふるい、今では深く反省しています。

今の自分、本当にどうすればいいのかわかりません。社会復帰もしたいですし、適切なサポートやナビゲートを当クリニックを含めて周りの人と共に歩んでいきたいと思っています。
長文申し訳ありません。
今現在の予約状況、治療内容、特に僕のような患者さんにはどういった治療がおすすめか、当クリニックへの通院を考えるならどういった診療をしていただけるか、詳しく教えていただければ幸いです。

お問い合わせありがとうございます。
今までの経緯と、なんとか社会復帰したいというお気持ちがよくわかりました。

Q)現在の予約状況
まだ開院して2年目ですので、他の精神科専門外来に比べると空いています。予約の待ち時間は2-3週間以内です。土曜日をご希望の場合はもう少しお待ちいただくと思います。

Q)治療内容について
ご本人が治療意欲がなく、親やご家族がご相談にいらっしゃる場合は回復までの道のりは長いのですが、
あなたのようにご自身に治療意欲があり、社会復帰したいという強いお気持ち(動機づけ)があるときは効果が高いです。

治療の要点を一言でいえば、他人がいる場所に安心して居ることができる自分をつくることです。そのためには他者との信頼関係(人間関係)を回復してゆきます。具体的には、次の3つです。

  1. カウンセラー(専門家)との信頼関係
  2. 家族との信頼関係の回復
  3. 社会との信頼関係の回復

一番の目的は(3)の社会復帰ですね。しかし、いじめられたり、親と仲が悪かったり人との関係に傷つきていると、社会に復帰したいと思っても、実際には人間関係がうまく築けません。病院の治療も長続きしにくくなってしまいます。
それを乗り越えるために大切なことは、信頼できる人間関係を少しずつ作ることです。そのために上記の(1)~(3)を行います。

1)カウンセラーとの信頼関係
まず、私といろいろお話ししましょう。過去のこと、現在のこと、未来のこと。いやだった思い出、楽しかった思い出など、いろいろあると思います。始めは緊張して話しにくいかもしれませんが、何度かお話をして「人と楽に接する安心感」を体験しましょう。
薬はあまり使いません。もしご希望であれば安定剤や入眠導入剤などを処方いたしますが、薬の使用は最小限に留めます。

2)家族との関係の回復
本来、家族は最も信頼できるはずの人間関係ですね。そこで傷つくと、外の人との関係に自信を持てなくなります。
逆に、今までは信頼できなかった家族との信頼を回復すると、社会の人と関係をがとても楽になります。
でも、身近な家族だけに、かえって難しいものです。
特に仲が悪い親に近づくのはとてもイヤですし、「絶対に無理!」と感じるかもしれません。そのような不快な気持ちと向き合います。家族の間だけで難しければ、私がお手伝いします。
そのために、ご家族にも協力してもらい、治療に通ってもらいましょう。どう子どもと向き合えばよいか、どう接すればよいのかをご家族と一緒に考えます。
私のところは自由診療のために、通常の保健医療よりもお金がかかってしまいます。その意味でも、親の協力が必要になります。

3)社会との関係の回復
外との関係を少しずつ回復してゆきます。
仕事や学校などフルの社会活動が難しいときは、少しずつ精神的な負担の少ない場から回復してゆきます。
家庭に訪問してくれたり、自由に参加できる居場所、集団の中に入って行く練習や仕事をするためのトレーニングなど、ひきこもりに対する支援体制も以前より整ってきました。あなたの場合は何が良いかをご相談しましょう。

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