2014年6月5日木曜日

ひきこもり脱出講座参加者の声

「ひきこもり脱出講座」では十数名の同じ参加者が毎回3週間おきに計6回集まります。私からの講義もありますが、皆さんから家族の様子を毎回お話ししてもらいます。
すると、あら不思議、子ども本人は参加していないのに、今まで動かなかった子どもの様子がどんどん変化していきます。なぜなんでしょう?

Aさんの感想です。
今日も参考になるお話をたくさん聞くことができ、前向きなものを頂きました。
親が変化しようと思い続け、肯定しようとする気持ちがあれば、親がこれといって何かを言ったり具体的なきっかけを与えなくても、子どもは親の雰囲気を感じ取って変化する時が来るのですね。
家族の力でひきこもりから脱出できるのかもしれない!
と思うと、希望がわき元気になれます。
家族にできることは、見守り、心配すること以外にもたくさんあるんだと、今の段階で知ることができ、講座に参加して良かったです。

そう、みなさんそうですね。
何か講座で学んで、改めて子どもにこう接しようとか、これを伝えようと、身構えて何かをするわけでもありません。ただ、普通に普段の家族生活を続けているだけです。
でも、講座に参加した親の気持ちは確実に変化しています。今まで、子どものひきこもりのことについて「どうしてよいのか全くわからない」状態だったのが、何となく希望や元気が湧いてきます。それは、私からの講義内容もあるかもしれませんが、同じような体験をお持ちのみなさん同士がお互いに状況や気持ちを語り合うことがとても良い効果を与えています。
親が新たに獲得した元気さや希望が、具体的な言葉に出さなくても子どもに伝わり、子どもも何となく元気になっているようです。

Bさんの感想です。
講座に参加しても、今までは
「子どもをソトの世界に押し出すには父親が必要。夫婦でキャッチボールをしなければならない。」
ということが頭にこびりついて、それがとても高いハードルで、とても前に進む勇気がありませんでした。
先日の講座で、田村先生が「皆さんは進化するためにこの講座に参加している、、」というようなお話をされました。
それで、私は考え方のハードルを下げようと思いました。
「講座で言われたことができなくても良いんだ。いつか出来るかもしれないけど、今でなくてもいい。今は出来ないのだから。講座を受けるだけでも私には前進なのだから。」
開き直ることができました。
講座で先生や皆さんのお話を聞いているだけで、心が和らぐのがわかります。

とても良い「開き直り」ですね。
Bさんの言葉は、同じように考えていらっしゃる多くの方々に元気を与えるでしょう。
これは、まさに心理学でいう「レジリエンス」(逆境を跳ね返す力)なんです。
どの人間も、あるいはどの家族も、元気な部分とダメな部分の両方を持っています。
ダメな部分が悪さをして、病気や問題が起こります。従来の心理学では、ダメな部分を見つけ出して治して改善したら良くなると考えてきました。
でも、レジリエンスという新しい発想はちょっと違います。
人間はダメを取り除く必要はありません。もちろんダメな部分が少ない方が良いのですが、ダメさを全部なくすなんて非現実的でしょう。
だから、ダメはダメで良いんです。むしろ大切なことは、元気な部分を増やそうとします。そうすれば、ダメな部分があっても、問題や病気を乗り越えることができます。
Bさんは、夫婦のキャッチボールができないというダメな部分はとりあえず置いといたままでも、心を和らげ、元気になることができました。それで良いんです。その元気さを家族に伝えればOKなんです。

Cさんは、講座が終わった後、私の方へやってきて、何か質問されるのかなと思ったらそうではなく、レシピをひとつ教えてくれました。
「簡単だけど豪華なレシピなんですよ。新玉ねぎを丸ごと皮をむき、電子レンジで4分チン、そしてひっくり返してまた2分チン。あとは適当なタレをつけて出来上がり!
とても簡単でしょ!」
というのも、講座の話の中で、私が「家事が大変なんです」みたいな打ち明け話をしたもので、Cさんは良い情報を教えてくれました。
その晩、さっそく作ってみました。
とても、美味しかった!
そりゃあ、食べ物の味は主観ですから「美味しい!!」とも言えるし、「まあ大したことない、普通だよね!」と言おうと思えば言えます。

でも「絶対おいしいですよ!」と語るCさんの表情は自信に満ちていました。
そう言われると、私もつられて「うん、確かに美味しい!」とホントに思ってしまいます。

その自信なんですよ、大切なのは。
みなさんが初回の時に家族のことを話す表情に、自信なんかありませんでした。
でも、回を重ねるにつれ、だんだん表情が変わってきます。
少しずつ元気や自信が芽生えてきます。

そういう自信に満ちた表情をされると、相手も何となく根拠はないけど元気が出てきてしまいます。
その表情で家族に向き合えば、家族みんなが自信を持てるように必ずなります。

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