緊急事態宣言により、普段とは違う「いま」があります。
だから、伝えるニュースもたくさんあります。
以下はあくまでいま現在(2020.4.23)の体験と気持ちです。
状況が刻々と変化している中で、それも大きく変化すると思います。
<体験>
まだ古民家の改修が終わっていないのですが、時期を早め、東京を抜け出し群馬に移住することにしました。
私は医者ですが、
医療従事者にエールを!
と感謝されるほどリスクを冒して最前線で戦ってはいません。
精神科専門の医療機関ですので、発熱など肺炎兆候のある患者さんには対応できず、お帰りいただいています。
外来に来る患者さんは激減しています。
入院患者さんは以前と変わりません。
それでも新患の方も来ます。
コロナ感染症とは戦っていませんが、普段と変わらず心療内科・精神科の患者さんの治療に当たっています。窓を開け、距離を空けて、マスクをして。
オンラインの仕事が増えました。
以前からZoomは使っていましたが、その頻度が増えました。
中国の人々への研修や治療はZoomを活用し、日本より進んでいましたが、国内でもオンラインの利用に拍車がかかったのではないかと思います。
東京でも診療していますので、月に1度は東京を往復します。
いま現在は大森にいます。
群馬県内の渋川駅や高崎駅はそうでもありませんが、東京に近づくと電車やホームには見事に人がいません。
8割は減っているんじゃないでしょうか。国民の団結力を感じます。
社会人の長男と長女は在宅テレワークを続けています。
大学4年生の次男は就活も卒業研究も捗らないと不満を漏らしながら家にいます。
通勤・通学がないのは楽ですが、いい加減きゅうくつさを感じているようです。
毎日、昼と夜の食卓をみんなで一緒に囲んでいます。
<気持ち>
志村けんや岡江久美子の訃報ニュースに触れると多少はビビりますが、
多くの人が訴えるようなコロナ感染の不安や恐怖は幸か不幸か感じません。
生きることは多くのリスクを伴います。
国内の
コロナ感染者は1万人+
死亡者は300人+
交通事故による
負傷者は年間60万人
死亡者は年間4千人
自殺の
未遂者は推定年間50万人程度
既遂者は年間2万人
ガンが
新たに診断される数は年間100万人
死亡者は年間40万人弱
人間ドックでガンが見つかることも(父親と義父がそうでした)、
道を歩いていて車が突っ込んでくることも(友人が孫を失いました)、
コロナに感染することも、
その可能性は十分に承知しています。
そのリスクを請け負わなければ、社会の中で活動できません。
そのリスクを請け負えば、リスクを恐れる必要もありません。
動物は天敵が現れると、群れのリーダーが警戒の鳴き声でいち早く危険を知らせ、群れを守ります。
安倍さんも小池さんも、よく頑張っていると思います。
アベノマスクなどと揶揄されながらも。。。
残念ながら、人は理性で自らの行動や欲望を制限できるほど賢くはありません。
感染拡大を防止するための行動制限を人間集団かけるには、理性よりも感性(不安と恐怖)に訴えるしかありません。
普段、人々の不安を取り除く仕事をしている私としては、なんとも複雑な気持ちですが、今は集団の命を守るために仕方ありません。
危惧するのは、感染が収束し人々が警戒心を解き始めた時期です。
阪神大震災や東日本大震災の時もそうでした。
ボランティア精神科医として現地に入りましたが、生き延びるのに必死な時期、人々は頑張れます。
問題は、復興が進み、緊張感を緩められる時期です。
生活がある程度落ち着くと、メンタルの問題が浮上してきます。
今が内科医が戦っています。
精神科医が戦うとすれば、もうしばらく先の話かもしれません。
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