2021年1月21日木曜日

ひきこもり連載(4)家族ができること

 ひきこもり:求められる支援(4)
公明新聞 2021.1.14.
家族ができること
人と関わる安心と自信を与える

家族はひきこもり問題を解決する大きな資源です。

本人は人と関わることに大きな不安を抱え、家族以外の人を避けています。唯一関わることができる家族が、人と関わる安心感と自信を与えます。

ひきこもりの回復には四段階あります。
1)葛藤期:挫折したことに本人も家族も不安を抱き、葛藤や衝突が起きる。
2)自閉期:社会との関係を拒否して家に閉じこもる。
3)試行期:失敗と成功を繰り返しながら、徐々に社会との接点を取り戻していく。
4)回復期:社会の中に居場所を見いだす。

「家族は何も刺激せず、本人のペースと自主性に任せて待つべきだ」と、よく専門家は言います。初めの数週間はその通りなのですが、自閉期以降は異なります。家族は良い刺激を与え、人と関わる安心と自信を与えます。しかし、実際には家族がどうしたらよいのか分からず、長期化した、ひきこもりに立ち尽くしているケースが多く見られます。要点は、マイナスの刺激ではなく、プラスの刺激をどう与えるかです。

特に効果的なのが心理的に遠い家族との交流です。例えば母親とは近いが父親と遠い場合、父親との関係回復がひきこもり脱出の大きな鍵になります。しかし実際には容易でありません。過去の葛藤や失敗体験から、家族がどう関わるべきかを見失っているからです。

そのためにも、同じような体験を持つ親同士が交流し体験を分かち合い、自信を回復することが有効です。この20年来、ひきこもりの支援は民間からスタートしました。KHJ全国ひきこもり家族会連合会は、全国に散らばる草の根的な家族会をまとめています。

厚生労働省では、10年前からひきこもり支援事業を展開し、「ひきこもり地域支援センター」を全国に指定しています。例えば、東京都ひきこもりサポートネットでは、電話、メール、訪問で相談窓口を設け、地域若者サポートステーションや地域の支援活動を紹介しています。


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