2011年11月22日火曜日

Proactive Parenting

弱く幼い子どもの面と、一人前に強がる大人の面が錯綜する思春期の子育ては難しい。

強く言うとイジケてしまうので強く怒れないんです。落ち込んで、布団をかぶって寝てしまうから。それ以上言うと、落ち込むのが怖いのであまり言えません。だから、なるべく言わないようにしています。
厳しくした方がよいのですか、それとも子どもの自主性に任せてあまり言わず、放っておいた方が良いのでしょうか。でも、親の他には言う人がいないし。
子どもに注意しようとすると、つい感情が入ってしまい、淡々と話すことができません。

子どもは理想ばかり言って、現実をみようとしません。
子)親は私の言うことを聞いてくれればいいんだよ。私は間違っていないから。
子どもを叱ったらカンカンに怒って、壁に穴をあけ、本をビリビリに破いたんです。
子)お母さんが約束を破ったからだ。母)そんな約束した覚えはないけど。
振り返れば子どもがまだ小さい頃、自分でできることもお膳立てして親が手を出してしまいました。その頃は、子どものことを考える余裕がなかったんです。今から振り返れば、可哀そうだったという気持ちが残っています。

子どもが持つ大人的な強い側面に対しては、子どもの持つ力を信頼し、口を出さずに黙って見守る。

まだ子ども的な、自信がなく、弱い面に対しては元気と力を与えてあげる。
弱いゆえに傷ついた部分を癒し、守ってあげる。しかし、守るだけでは前に進まない。
弱さを乗り越え強くなりたいけど、まだその力を持ちえない部分に対して、親は力を与えげあげる。
「君はできるはずだ。がんばってごらん!」
力と自信を持っているはずだという前提で、子どもに働きかける。
カウンセリングの世界では一般に「がんばれ」は禁句とされている。それは弱さに注目した場合の対応だ。
「そんなことでは甘いんだよ!」厳しさを乗り越える体験は強さに結びつく。ただし、その根底に強い信頼関係ができていることが必要だ。それがなければ暴力にすぎず、子どもは傷ついてしまう。

このようなproactive parentingを親が遂行するためには、親自身が力と自信を持っていなければならない。子どものマイナス面に目を向け心配するだけではなく、プラス面に目を向け、あぶなっかしいし子どもを信頼する力。
子どもを放すこと、子どもに任せることは勇気がいる。
いじめられないだろうか、傷つかないだろうか、遅れはしないだろうか、失敗しないだろうか、、、。
心配が先に立つと、大胆に子どもを放すことは危険だから、守りの体制に入ってしまう。それでは、子どもは成長することができず、幼い子どものままでいる。

そして、子どものプラス面を見つけ出し、肯定的に評価する。
「そうか、良かったじゃない!」
「それは良いよ!」
でも、うちの子は何も良いところがないんです、という親がいる。
本当に?
完璧に100%の人はいないし、全くダメの0%の人もいない。だれでも、プラスとマイナスが何割:何割かという話だから。
どんな人にも良い面がある。それを見つけ出せるか否かは、見出す人のプラス・マイナス面と相関している。
ではお母さん、お父さん、あなた自身の良いところはどこですか?
その部分は、子どもに受け継がれていますか?
結局、力と自信を子どもに与えるためには、親自身が力と自信を持っていなくてはならない。あるいは、どこかからかき集めてきても良い。

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