お正月の病院当直は20代の研修医時代以来の40年ぶりです。
30日には子ども達にまる一日付き合い、
正月2日からは家族との予定が入っています。
その間、唯一の一人になれる二日間です。
日勤は病棟や外来から呼ばれ、それなりに忙しいのですが、夕方になれば落ち着いています。
この時間を利用して、私自身の2019年を振り返りたいと思います。
東京から群馬へ
この一年は、移住の準備プロセスの1年。躍動の年でした。
広尾から大森へ
8月にオフィスを移転し、9月から大森での相談を開始しました。
西麻布の高い家賃から解放され、自宅の1階部分を改装した小さな相談室です。
私にとってのプライベートな場所にクライエントを招き入れることに当初は慣れずにいましたが、クライエントさん達の反応はそれほど気にしていないようです。気にしているのは私だけなのかということに気づいてからは、気にしなくなりました。
場所が変わっても、セラピー自体は全く変わりません。
むしろ、家賃がなくなった分だけ、相談料を値下げすることができたのは良かったです。
渋川での保険診療
1月から渋川市内の精神病院と外来クリニックで週2回の勤務を始めました。
保険医は本来の目的ではありません。群馬でも自由診療で、広尾で行ってきた私の思い描く支援活動を継続するつもりです。当初は、それを実現するための手段(地域の医療関係者とのネットワーク作りと当座の食いぶち稼ぎ)くらいに考えていました。
しかし、長谷川憲一院長が率いるチームに接してみて、考えを改めつつあります。
詳しくは別のブログ記事に書きました。
高山村の古民家
前橋・沼田・中之条・水上など多くの物件を約一年半かけて見て回った末に、移住先を決めました。選択肢は他の地域の方がたくさんあるのですが、初めから高山村の場所が気に入りました。なかなか適当な物件が見つからなかったのですが、時間をかけて、地元の人たちにもたくさん助けてもらって、決めることができました。
秋以降はトントン拍子に前に進むことにしました。
古民家片づけ隊に、たくさんの人たちがボランティアで集まってくれたのには感激しました。人の力はとても大きいと思います。
移住先でのネットワーキング
高山村でのメンタル研修会を4月から月一回のペースで始めました。
場所も、蛙トープ、いぶき会館、村役場の会議室と転々としました。支援する側・される側が一緒に集まり自由に話し合う場に、予想以上に多くの方々が集まってくれました。それは私自身がエンパワーされた体験です。
そこで知り合った人たちから研修会などにも呼んでいただき、ネットワークの輪をさらに広げることができました。
新しい場所に私は馴染んでいけるのだろうか?
そんな不安を当初は抱えていましたが、なんとかやっていけそうな将来への見通しが見えてきました。
海外での活動
今年は上海を3回訪れ、ワークショップを行ってきました。
急速に発展する中国社会は心理支援のニーズも急速に高まっていますが、指導やトレーニングの機会が極めて限られています。不登校・ひきこもりも日本・韓国・台湾などと同様に増えてきています。
7月にシンガポールで、8月にはマレーシアでアジアのセラピスト達へのスーパーヴィジョンやケース検討会も行いました。
これらの経験から、不登校・ひきこもりとアジア文化の関連性について良く見えてきました。日本だけではわからなかったことも、アジア諸国へ経験の枠組みを広げることで見えてきました。
その成果を、
- 6月にアメリカで(American Family Therapy Academy)
- 7月にSingaporeで(Asian Academy of Family Therapy と American Association of Marriage and Family Therapy)
- 10月にタイのチェンマイ( ASCAPAP: Asian Society for Child and Adolescent Psychiatry and Allied Professions)とオーストラリアのMelbourne (Australian Association of Family Therapy) で発表しました。
"Glocal"な臨床
高山村でのlocalな視点と活動
国際的なglobalな視点と活動
結果的には、その両者を同時に進めることになりました。
これは、もしかしたら私自身の追い求めてきた姿なのかもしれません。
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