今回のAFTA参加は2007年のVancouver大会以来だから4年ぶりの参加だった。
ふたつ口頭発表した。
ひとつは、ひきこもり青年とその背景にある日本文化について。
ひきこもりは日本独特と言われているが、本当にそうなのか。フランスにもタンギ(?)という映画があって、ひきこもりに近い状態だそうだ。どの文化にも見られることは見られる。しかし、日本ほど大きな社会問題にはなっていない。それはなぜだろうかというあたりを比較文化的に考察した。その具体的内容はまた別に書きます。
もうひとつは大震災について。3月11日の後に、アメリカに住むAFTAのメンバーたちから、日本は大丈夫!?なんていうお見舞いメールが何通か来た。それに返信する形で日本の状況を書いたら、日本の震災に支援に関する緊急ワークショップを開いてくれた。プログラム原稿の締め切りがとっくに過ぎて、印刷に出す直前だったのに、臨機応変に組み込んでくれた。海外でも震災と原発事故に対する関心は非常に高い。予想以上に多くの人が集まってくれた(と言っても10人くらいだったけど)。
ほかに参加したのはGender InstituteとMen's Institute。この学会は小規模(参加者200名くらい)でレベルが高い。30代以下の人は少なく、40代以上のskilled therapistsばかり。Gender Instituteでは自分のジェンダー体験を語り合う。出されたお題は3つ。
- Share some of your important experiences of gender that have shaped you as a person. How has your experience of gender evolved over time? Share any transformational moments that have affected your expression of gender.
- How has your experience and expression of gender been influenced by race/culture/class/sexual orientation/religious beliefs/generation and over variables of your identity?
- What experiences of gender have involved feelings of loss or fear? What aspects of gender have been rewarding and joyful?
私が一番楽しみにしているMen's Instituteは男性のみの参加。Genderという属性でくくったsimilarityは、ethnicityを超えて参加者に大きな安心を与える。しかし、残念ながらLGBT (Lesbian, Gay, Bisexual and Transgender)の人たちは来ない。Gender/Sexualityは人々の帰属意識をつよく作り上げる。Generation(年齢)も同様。何を語っても対立構造を生まないという安心感が、深い語りを促す。
AFTAはwhite, middle class, professionalのみの集団だ。Ethnic minorityも少ない。日本人は私ひとりだけだから、グループではない。Dominant groupに対抗するminority groupさえ形成されない。「例外」として参加しているようなものだ。
自分の発表と、これら参加型ワークショップ以外はほとんどパスして学会会場と同じホテルの部屋で寝ていた。今回は5日間という短い滞在だから、時差ボケを修正せず昼夜逆転状態、つまり昼間寝て、夜中に起き出して仕事をしていた。おかげでけっこうはかどった。
若いころ、学会は最新の情報を得る「学びの場」であった。最近は、あまり人の発表を聞く気はしない。別に、偉くなったわけではないのだけれど、、、。
今はむしろ人との交流の場、意見交換の場として利用している。大ホールのplenary sessionには興味がわかず、10-20人くらいの少人数ディスカッションが楽しい。
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