2011年7月27日水曜日

産業医の研修

今週はまるまる一週間の九州出張だ。
北九州市にある産業医科大学で、産業医になるための集中研修を受けている。

産業医は、会社や工場の「保健室」とはちょっと違う。労働環境や労働条件により健康が損なわれることを予防するために、従業員にひとりひとり関わるだけでなく、管理者側に直接働きかける。産業医は50人以上の事業所には置かねばならない。
医者が1週間の研修を受けると産業医として認められる。

私の専門は思春期の心だ。彼らを取り巻く家族や学校には働きかけてきたが、会社にはあまり関わってこなかった。しかし、これからは必要になってくるかもしれない。
労働衛生の課題は年代とともに変化する。
昭和20年代は劣悪な労働環境による結核の蔓延。女工哀史なんかがその典型だ。
昭和30年代は経済成長の幕開け。じん肺や化学物質による中毒が問題になった。環境汚染や公害が問題となった。
平成以降、現代の焦点は高齢化、過重労働そしてメンタルヘルスだ。
ニートやひきこもりの高齢化、つまり十代ばかりでなく、20代、30代へ広がり、「新型うつ」もその年代で問題になってきている。

私の視点は、人を単体の個人としてみるのではなく、人間集団の関係性という枠組みを用いる。今まで取り組んできた家族、学校、地域社会へのアプローチの延長には、職場へのコンサルテーションも大切な要素となる可能性はある。
今後、私の守備範囲の中にどれほど組み込まれるかはまだ分からないが、とりあえず資格だけは取得しておこう。

0 件のコメント:

コメントを投稿