2013年5月29日水曜日

家族を語り、自己を語る

先生とカウンセリングを始めてから、自分を持てるようになりました。

今までは、相手のことをいつも考えていたと思います。
一番に子どもたちのことを考え、次に夫のことを考え(、、、また、これも大変なんですけど、、、)、そして自分の親や夫の親のことも考え、そしてその次ぐらいにやっと自分のことを考えていました。

家族と一緒にいると、自分の世界でなくなってしまいます。
向こうが私を支配してしまいます。というか、私が勝手にそう思ってしまうのが悪いのですが。

今は、相手と一緒にいるけど、自分の世界を持てるようになった。

そう語るAさんは家族の中に解決しがたい問題を抱えています。
それも、ひとつではない、ふたつも、三つも。それぞれ別々の問題なのですが、それらがお互いに折り重なっています。
それも、今に始まったことではなく、Aさんが若い頃から、Aさんが結婚した当初から、Aさんの子どもが学生だったころからずっと抱えてきた問題です。
Aさんは、それらを解決したくてカウンセリングにやってきたわけではありません。
Aさんは、それらを整理したくてやってきました。

そうですね、いつも話の内容はご家族のことだけど、カウンセリングはAさんお一人ですものね。
自分のことをさておいて、家族のために生きてきました。
他者指向性。それは日本女性の伝統的な生き方です。
自分を家族のために捧げ、全霊を尽くしてきました。
それは、ある意味すばらしい生き方だと思います。
それがうまく成就されれば大きな幸せにつながります。
しかし、ひとつ間違えば大きな不幸にもつながります。

もっとも、Aさんは不幸とは感じていないと思います。
関連性の中で生きているAさんにとって、家族が辛いことであっても、生き甲斐であることには変わりません。

Aさんはカウンセリングでたくさん語り、また書いてきました。日記や手紙風に家族のことを書き、家族に関わってきた自分のことを振り返るように語り綴ってきました。
語る内容は家族のことだけど、語る主体はAさん自身です。

それを繰り返しているうちに、だんだんAさん自身が見えてきました。
自分という軸を再発見しました。
すると、今まで抱えていた問題も変わってきました。
客観的に見れば、何も変わっていません。
しかし、Aさんにとっての問題が大きく変わりました。
これまでは、問題がAさんそのものでした。
今は違います。問題とは別の位置にAさんが存在し、少し離れたところから問題を眺めるようになりました。
問題は、依然「問題」として存在し続けています。
しかし、Aさんはとても気持ちが楽になりました。

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